翡翠色のタブリーズ

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産地:タブリーズ
素材:ウール
大きさ:250×350(cm)

この絨毯は売却可能です。

このタブリーズ産の絨毯は、緑が特徴の綺麗な絨毯です。

ペルシャ絨毯というと鮮やかな赤や深い青が特徴なのが一般的ですが、こういった緑がきれいな絨毯もあります。

しかし、やはり品数としては少ない部類で、美しいものはさらに少なく、この絨毯はなかなかレアな絨毯です。

ペルシャ絨毯の色合いという点に関しては、日本人は調和のとれたインテリアを好みますから、日本では、華美すぎず、キツ過ぎず、落ち着いた色合いの絨毯が好まれます。

そういった影響で、日本ではナイン産の絨毯が人気です(私たちの方でもナイン産は完売)。

ナイン産の絨毯というのは、クール(?)な絨毯の代表格で、白系色を基調としつつ、綺麗な赤や青で特徴づけられる絨毯が多く、シックで上品な感じゆえに日本ではよく売れます。

下記のような絨毯です。

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そして、ナイン産の絨毯のもう一つの特徴として、シーリングデザインのものが多いことも挙げられます。

シーリングデザインというのは、天井デザイン、つまりモスクの天井を模したデザインで、中心のメダリオンから放射状に広がっていくデザインです。

下記のような感じです。

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このシーリングデザインが、絵のような華麗さを持ちつつも控えめな色使いで実現されることもあってナイン産は人気なわけです。

私は、今ではすっかり民族感全開の真っ赤なペルシャ絨毯が好みですが、学生時代なんかは、父の手伝いに行った先で同業者の方にどんな絨毯が好きなのかと聞かれると、ナイン産が好きだと即答していました。

話は戻って、このタブリーズ産のグリーンの絨毯。

もう一度再掲。

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さて、この絨毯はシーリングデザインでしょうか?

我が家的には答えはノーなんじゃないかと思っています。

それはなぜかというと、この絨毯、大変珍しいことに、中心にクロス、十字架がデザインされているからです。

私たちは、プロのペルシャ絨毯商ですから、現地の取引相手と付き合うときにも、複雑な背景を持つ宗教や歴史には首を突っ込まないのを鉄則としています。

したがって、この中心のクロスが何かを意味するのか、それとも単なるデザインなのか、そこらへんは分かりません。

しかし、とても珍しい絨毯であることは間違いありません。

また、目も細かく、品質的にもしっかりとした絨毯です。

赤を基調としたクラシックなペルシャ絨毯デザインにも関わらず、グリーンが効果的に融合されていて、何とも言えない雰囲気を醸し出している絨毯です。

しかも、縦糸はシルクなので、素人目にもすごそうな絨毯だとわかる華やかさがあります。

クロスを中心に赤と緑を使ってクリスマスツリーのような華やかさがありますが、全体的にはオリエンタルな雰囲気がしっかりと醸し出されています。

ペルシャ絨毯好きにとっては、見たことあるようで見たことないデザイン、しかし、詳しくない人にも、一目でこれは高そうな絨毯だとわかる印象。

そして、不思議な中心のクロス。

これは、我が家のコレクションの中でも高価なものです・・・と言いたいのですが。

織りの細かさ、デザインのち密さなど、ペルシャ絨毯としての品質は間違いないし、中心のクロスも面白いということで、購入して、徹底的にクリーニング。

そうしたら、隅っこの方に一か所数センチの”つれ”が見つかってしまいました。

”つれ”というのは製造過程で生じたゆがみで、たたみジワだと思いきや、バラして修復しないかぎり伸びないしわの存在が判明したわけです。

拡大写真で見てもわからないように、一見してわかるようなものでもないのですが、完璧なものではないので、その分お求め安くなっています。

通がうなる逸品もいいですが、居間に敷く絨毯などでは、誰が見ても感嘆するような分かりやすい華やかさも重要だったりします。

そんなニーズを満たしてくれる絨毯です。

なおこの絨毯、私の兄が、結婚して子供が生まれ新居を構えたときに、父がお祝いに1枚絨毯をプレゼントするといったのですが、その時に兄がこれがほしいと言って、父に一蹴された絨毯でもあります。

その当時、私は実家暮らしでよく父の手伝いをしていましたが、10年以上兄は東京を離れ九州で暮らしており、帰ってくるのは盆暮れ正月くらいで、絨毯を見る機会なんてほとんどなかったはず。

きっと、何かのきっかけで見たときの印象が深く残っていたんでしょう。

気持ちはよく分かります。

華やかさとオリエンタル感が見事に融合した、ありそうでない逸品と言えます。